皆さんこんにちは。
静岡県沼津市を拠点に介護DXを活用し、ナースコール設置やAI見守りカメラのワンストップサービスを提供しております株式会社N-TEC(エヌテック)です。
「職員の腰痛による離職をなんとかしたい」「ノーリフティングケアに興味はあるけれど、現場への導入や定着が難しそうで不安だ」そう思うことはありませんか?日々の業務に追われる中で、新しいケア手法を取り入れることにハードルを感じている管理者の方も多いのではないでしょうか。
実は、正しい手順で「抱え上げない介護」を導入することは、単なる腰痛予防にとどまらず、業務効率化や人材確保といった経営課題の解決にもつながる重要な施策です。この記事では、ノーリフティングケアの基礎知識から、現場を変える福祉用具の活用法、導入時のデメリットを乗り越えるポイントまでを分かりやすく解説します。職員が長く安心して働ける持続可能な職場環境を作りたい施設長やリーダーの方は、ぜひ参考にしてみてください。
■ノーリフティングケアとは?

ノーリフティングケアは、オーストラリア発祥の「抱え上げない介護」のことです。従来の「気合い」や「力」に頼る人力のケアを見直し、リフトや福祉用具を積極的に活用して、介護する側・される側双方の安全と安心を守る新しい考え方として、日本でも多くの施設で導入が進んでいます。
・抱え上げない移乗の実践
従来、ベッドから車椅子への移乗介助は、ボディメカニクス(身体の動きの仕組みを活用した技術)を駆使しても、職員の腰への負担が非常に大きい業務でした。ノーリフティングケアの実践では、この「持ち上げる」という動作を原則禁止します。
具体的には、スライディングボード(滑りやすい板)やシートを使って「滑らせて移動」させたり、リフト機器を使用して「吊り上げて移動」させたりします。これにより、人力で重力に逆らう動きがなくなるため、腰痛リスクを劇的に減らすことが可能です。単に道具を使うだけでなく、対象者の身体状況に合わせた適切な用具の選定と使い方の技術習得が、安全なケアの基本となります。
・職員と利用者のメリット
このケア手法は「職員が楽をするため」だけのものと誤解されがちですが、実は利用者(高齢者)にとっても大きなメリットがあります。人の手で脇の下などを強く掴まれて持ち上げられると、痛みや恐怖を感じたり、皮膚が剥離したりする怪我の原因になりかねません。また、無理な力が入ることで身体が強張る「拘縮(こうしゅく)」の二次的な予防にもつながります。
職員にとっては、職業病ともいえる腰痛を予防し、長く健康に働き続けられる環境が整う点が最大の利点です。身体的負担が軽減されれば、精神的な余裕も生まれ、より丁寧なケアサービスやコミュニケーションに時間を割けるようになります。結果として、職場全体の環境改善や人材確保にも良い影響を与えます。
■現場を変える福祉用具の活用

精神論だけで「抱え上げない」を実現するのは困難です。現場の環境や利用者の状態に合わせ、適切な福祉用具を選定し、使いこなすことが成功のカギとなります。テクノロジーの力でケアの質を高めるための、具体的な道具と活用の視点を見ていきましょう。
・主要な用具の種類
ノーリフティングケアの現場で基本となるのが「スライディングシート・ボード」と「リフト」です。シートやボードは摩擦を減らし、ベッド上の位置直しや車椅子への移乗を、滑らせる動作でスムーズに行います。一方、リフトには床走行式や天井走行式などがあり、人力では困難な重量の移動を安全にサポートします。
これらの機器は、単なる道具ではなく「スタッフの腰を守るパートナー」です。トイレや浴室など狭い場所でも使える用具もあり、選定次第で介助の幅は大きく広がります。まずは「持ち上げない」ための選択肢を知ることが、安全な職場づくりの第一歩です。
・リフト導入とDX
近年では、リフトなどの福祉用具導入を「介護DX(デジタルトランスフォーメーション)」の入り口と捉える施設が増えています。重労働を機械に任せることで、職員は記録入力や利用者との会話など、人間にしかできない業務に集中できる時間が増えます。
また、見守りセンサーなどの介護ロボットと組み合わせることで、ケアの必要性をデータで把握し、業務全体の効率化を図ることも可能です。用具の活用は、単なる負担軽減だけでなく、組織全体の働き方改革を推進する重要なステップです。
■資格取得と研修でスキル向上

道具を揃えても、正しく使う技術がなければノーリフティングケアは定着しません。安全な介助を継続するためには、組織的な人材育成と、職員一人ひとりの知識・スキルアップが不可欠です。
・関連資格の取得方法
ノーリフティングケアには統一された国家資格はありませんが、関連協会が認定するコーディネーター資格や、各自治体の推進事業による研修修了証などがあります。これらを取得することで、ボディメカニクス(身体の動きの原理)や解剖生理学に基づいた理論と実技を体系的に学ぶことができます。
特に現場のリーダー層がこれらの資格取得や外部研修へ積極的に参加し、インストラクターとしての知識を施設に持ち帰ることが重要です。専門的な知見を持つスタッフがいることは、安全管理体制の強化だけでなく、施設の信頼性向上や採用面での強みにもなります。
・効果的な研修の進め方
外部研修で学んだ職員が講師となり、施設内で伝達講習を行うのが一般的です。しかし、一度の研修ですべての技術を習得するのは困難です。「今月はスライディングシートの使い方」というようにテーマを絞り、短時間の研修を繰り返し行うことが定着への近道です。
また、実際のケア業務の中で先輩が教えるOJT(実務を通じた指導)も欠かせません。利用者の身体状況は一人ひとり異なるため、マニュアル通りにいかない場面も多いからです。手技の動画を共有していつでも復習できる環境を整えるなど、学ぶハードルを下げる工夫も組織全体のレベルアップにつながります。
■デメリットと現場の課題解決

導入には多くのメリットがある一方、現場からは「準備に時間がかかる」「面倒だ」という反発の声が上がることも事実です。初期費用や業務フローの変更といった「生みの苦しみ」を直視し、一つずつ解消していくプロセスが求められます。
・導入コストや手間
福祉用具やリフトの導入には、まとまった費用がかかります。また、機器を取りに行き、セッティングする手間が発生するため、慣れるまでは「手で持ち上げた方が早い」と感じてしまう職員もいます。特に忙しい時間帯は、手順が増えることが業務の妨げと捉えられがちです。
しかし、自治体の補助金制度を活用してコストを抑えたり、長期的な離職防止効果を考慮したりと、経営的な視点で投資対効果を判断することが重要です。一時的な手間の増加は、安全確保のための必要な投資と捉え直す必要があります。
・定着させるための対策
新しいケアを定着させるには、トップダウンの方針明示だけでなく、現場主導の推進チーム作りが不可欠です。腰痛予防対策指針を作成し、定期的なミーティングで課題を話し合う場を設けましょう。無理に全てを変えようとせず、「まずは重度の利用者様から」と段階的に導入範囲を広げるのも有効です。
「腰が痛くなくなった」「利用者の表情が穏やかになった」といった小さな成功体験を共有し、職員自身が効果を実感できるようにすることが、組織の文化として根付かせるための最短ルートです。
■まとめ

ノーリフティングケアは、単なる腰痛対策を超え、介護現場の働き方そのものを変革する重要な取り組みです。人の温かさと福祉用具というテクノロジーを融合させることで、職員は長く健康に働け、利用者はより安全で安楽なケアを受けられるようになります。
導入にはコストや意識改革といった壁も伴いますが、それを乗り越えた先には、離職率の低下やケアの質向上という大きな成果が待っています。「抱え上げない」ことは手抜きではなく、優しさと安全を両立させるプロの技術です。まずは身近な道具の活用から始め、誰もが笑顔で過ごせる持続可能な介護現場を共に創っていきましょう。
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N-TECは静岡県沼津市を拠点に、医療・介護現場へ特化したDXソリューションを提供しています。
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