皆さんこんにちは。
静岡県沼津市を拠点に介護DXを活用し、ナースコール設置やAI見守りカメラのワンストップサービスを提供しております株式会社N-TEC(エヌテック)です。
介護現場での業務マニュアル作成を任されたものの、「何から書き始めればいいかわからない」「せっかく作っても現場で読んでもらえない」と悩むことはありませんか?日々の業務に追われる中で、ゼロから手順書を作成するのは非常に大きな負担です。
実は、既存のテンプレートをうまく活用し、写真や図解を取り入れるだけで、誰でも簡単に「現場で即戦力となるマニュアル」を作ることが可能です。
そこでこの記事では、すぐに使えるテンプレートの紹介や、わかりやすい書き方のコツ、さらに作成後の運用や更新を楽にするためのDX活用術について解説します。業務効率化を目指す施設管理者の方や、マニュアル作成にお困りの担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
■現場が迷わない手順書の作成方法

介護現場において、質の高いケアと業務効率化を両立させるには、スタッフ全員が直感的に理解できるマニュアル作成が欠かせません。人手不足や新人教育の負担を減らし、事故などのリスクを未然に防ぐための、実践的な記載テクニックを解説します。
・ 誰でもわかる言葉と構成にする
経験豊富な職員にしか伝わらない専門用語の多用は避けましょう。マニュアルは新卒のスタッフや、日本語が母国語ではない職員も閲覧します。例えば「臥位(がい)」であれば「ベッドに横になった状態」、「嚥下(えんげ)」であれば「飲み込み」と書き添えるなど、誰が読んでも即座に理解できる表現が必要です。また、業務の流れは時系列に沿って構成し、判断に迷う曖昧な表現を排除することで、サービスの質を統一できます。
・ 写真や図解で視覚的に伝える
長い文章を読む時間がない緊急時や、複雑な入浴介助・排泄ケアの手順は、文字だけの説明よりも画像やイラストを用いる方がはるかに効果的です。動きのある身体介助の方法は写真を使い、事故発生時の対応や連絡体制など「Yes/No」で行動が変わる項目はフローチャート(工程図)形式にするなど、パッと見て次のアクションを判断できる視覚的な工夫を取り入れましょう。
・ 厚労省の指導基準を反映させる
独自の「やりやすさ」を追求するだけでなく、法令遵守(コンプライアンス)の観点も重要です。作成した手順書が厚生労働省の定める基準を満たしていない場合、実地指導(運営指導)で指摘を受けるリスクがあります。以下のリンク先にある指導監督情報を参照し、必須となる項目に抜け漏れがないか必ずチェックしてください。
■無料テンプレートで時短作成

ゼロからすべての文書を作成するのは、多忙な介護現場にとって現実的ではありません。既存のテンプレート(ひな形)を有効活用することは、作成時間を大幅に短縮し、業務負担を減らすための賢い選択です。まずは良質な土台を入手し、そこから自施設に最適な形へと作り変えていく効率的なプロセスを推奨します。
・ すぐ使えるひな形をダウンロード
インターネット上には、厚生労働省や業界団体、介護ソフトベンダーなどが無料公開している業務マニュアルのテンプレートが数多く存在します。文章が主体となる運営規定などはWord、日々の記録やチェックリストなら集計しやすいExcelなど、用途に適したファイル形式を選びましょう。これらをダウンロードして活用することで、見出しの構成やレイアウトを一から整える手間が省け、最も重要な「ケアの手順」や「判断基準」の記述に時間を集中させることができます。
・ 自施設の実情に合わせて修正
テンプレートはあくまで標準的な内容で作られているため、そのまま使用すると現場の実態と乖離(かいり:かけ離れること)が生じます。例えば、使用している入浴設備の機械の種類、建物の構造、夜勤時のスタッフ配置人数などは施設ごとに異なります。必ず自事業所の設備やルールに即して内容を書き換え、現場の職員が実際に動ける手順になっているかを確認してください。形だけのマニュアルではなく、実用的なツールにするための必須工程です。
【コピペOK】業務手順書フォーマット(基本形)
【業務名】: 入浴介助手順
【目的】: 皮膚の清潔保持、感染症予防、心身のリラックス
【対象者】: 全利用者(個別の留意事項はケース記録参照)
1. 準備物
着替え、バスタオル、フェイスタオル
入浴セット(シャンプー、ボディソープ、保湿剤)
血圧計、体温計
2. 手順
バイタルチェック: 体温37.5℃以上、収縮期血圧160以上の場合は中止し、看護師へ報告。
脱衣介助: 麻痺がある場合は「脱健着患(だっけんちゃっかん:脱ぐ時は健康な側から、着る時は患部側から)」を徹底する。
浴室への誘導: 足元の水濡れを確認し、転倒に注意して誘導する。
洗身・入浴: お湯の温度(38〜40℃)をスタッフが手で確認してからシャワーをかける。
着衣・整容: 水分を拭き取り、保湿剤を塗布。爪切りや耳掃除が必要か確認する。
3. 禁止・注意事項
入浴中は絶対に見守りの位置から離れないこと。
皮膚に発疹や傷(褥瘡の初期症状など)を発見した場合は、直ちに看護師へ報告すること。
■運用を楽にするデジタル活用

紙のマニュアルには「分厚くて誰も読まない」「更新が面倒で情報が古くなる」という大きな課題があります。DX(デジタルトランスフォーメーション)技術を取り入れ、スタッフが「使いたくなる」環境を整えることで、マニュアルは初めて生きたツールとなります。
・ スマホで閲覧できる環境を作る
介護スタッフはステーションに座っている時間よりも、居室やフロアを動き回っている時間の方が圧倒的に長いため、紙のマニュアルを取りに戻るのは非効率です。タブレットや個人のスマートフォンから、クラウド上のマニュアルにアクセスできる環境を整えましょう。「あの介助手順、どうだったっけ?」と疑問に思ったその瞬間に、手元ですぐに正解を確認できる環境が、ケアの質を均一化させます。
・ 動画を活用して教育コスト削減
文字や静止画だけでは伝わりにくい「移乗介助の力加減」や「ミキサー食の硬さ調整」などのニュアンスは、動画で伝えるのが最適です。ベテラン職員がお手本となる動画をスマホで撮影し、マニュアルに紐付けておくだけでも立派な教材になります。新人が入職するたびに同じ説明を繰り返す時間を削減でき、指導担当者の業務負担を劇的に軽くすることができます。
・ クラウド管理で更新の手間削減
従来の紙ベースの管理では、内容に変更があるたびに「印刷・差し替え・古い資料の回収」という膨大な作業が発生していました。Googleドキュメントや専用のマニュアル作成ツールなどのクラウドサービスを利用すれば、一箇所のデータを修正するだけで、全スタッフが即座に最新情報を閲覧できるようになります。古い情報のまま業務を行い、事故につながるリスクを根本から排除できるのが最大のメリットです。
■ 介護DXで実現する組織改革

マニュアルの作成とデジタル化は、単なる「業務の整理」や「ペーパーレス化」にとどまりません。それは、介護事業所が抱える慢性的な人手不足や長時間労働という課題を根本から解決し、組織全体のあり方を変革する「介護DX(デジタルトランスフォーメーション)」の第一歩となります。
多くの現場では、マニュアルが整備されていない、あるいは形骸化しているために、業務の属人化(その人しかやり方がわからない状態)が起きています。ベテラン職員の「勘や経験」に頼りきった運営は、その職員が不在の際にサービスの質を低下させるだけでなく、新人が育ちにくい環境を生み出します。デジタルツールを用いて標準化されたマニュアルを整備することは、組織全体の「共通言語」を作ることと同義です。基準が明確になることで、職員は迷いなく行動でき、管理者は個人のスキルに依存しない安定した運営体制を構築できます。
また、マニュアルをクラウド化し、常に最新の状態に保つことは、業務改善(PDCAサイクル)のスピードを劇的に高めます。例えば、ヒヤリハット(事故になりかけた事例)が発生した際、紙のマニュアルであれば周知に数日かかるところを、デジタルであれば即座に手順を修正し、全スタッフのスマートフォンへ通知を送ることが可能です。現場の「気づき」をリアルタイムで業務フローに反映させる仕組みこそが、強い組織を作ります。
最終的に、こうしたITの活用によって削減された事務作業や確認作業の時間は、すべて「利用者へのケア」に還元されます。書類を探す時間や、口頭で何度も同じ説明をする時間をなくし、その分を利用者の顔色を見たり、会話を楽しんだりする時間に充てること。これこそが、介護DXが目指す本来の目的です。マニュアル作成は面倒な事務作業ではなく、スタッフが本来の介護業務に集中できる環境を守り、利用者満足度と職員の働きがいを同時に向上させるための、最も重要な経営戦略なのです。
■ まとめ

介護マニュアルの整備は、事故防止やサービスの質を統一するだけでなく、新人教育の負担を減らす重要な経営戦略です。作成の際は、ゼロから書かずに今回紹介したテンプレートや厚労省のガイドラインを活用し、写真や図解で「直感的に伝わる」内容を目指してください。
さらに、作りっぱなしを防ぐには「運用のデジタル化」が鍵となります。スマホでの閲覧や動画マニュアル、クラウドによる一括更新など、介護DXを積極的に取り入れることで、情報は常に最新化され、現場での活用度が飛躍的に高まります。スタッフが事務作業ではなく、利用者へのケアに集中できる環境を実現するために、まずはできる部分からマニュアルのデジタル化を始めてみましょう。
■ 介護現場の業務改善・DX推進はN-TECにご相談ください!

N‑TECは静岡県沼津市を拠点に、ナースコールや見守りカメラの設置、介護記録の電子化など、医療・介護現場に特化したDXソリューションを提供しています。
今回の記事で解説したマニュアル運用のデジタル化も、安定した通信環境や適切なデバイスがあってこそ実現できるものです。「タブレットでマニュアルを見たいがWi-Fi環境がない」「夜間の巡回業務そのものを見守りカメラで効率化したい」といった現場のお悩みも、私たちにお任せください。
N-TECでは、単なる機器の販売にとどまらず、施設ごとの課題を丁寧にヒアリング。現場調査から導入、その後の保守・メンテナンスまでワンストップで対応し、スタッフの皆様が安心して本来のケアに集中できる環境を整えます。
「何から始めればいいかわからない」という段階でも構いません。経験豊富なスタッフが、貴施設の状況に合わせた最適なプランをご提案します。まずはお気軽にご相談ください。
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