静岡県島田市のS様にて介護DXツール・システムを導入致しました。
■概要
所在地: 静岡県島田市
施設: 総合医療センター
■導入前の課題
旧病院では、朝の申し送り時間の長時間化が課題でした。同姓同名の患者さんや転倒リスクの高い患者さんの情報を、一人ひとり口頭で確認していたためです。また、看護師から看護補助者へのタスクシフトがスムーズに進まないことも悩みの種でした。
さらに、新型コロナウイルス感染症の患者さん、特に認知症の高齢者の方への看護は大きな課題でした。転倒・転落リスクが高い上に、酸素マスクや点滴チューブの自己抜去を防ぐため、迅速な対応が求められるものの、感染対策のための防護具着用による看護師の体力消耗やストレス増加も懸念されていました。
■導入したDXツール・システム
- NICSS-EX8
- 大型サブディスプレイ
- IPカメラ
- 個別情報廊下灯
■導入後の変化
新システム導入後、情報共有の効率化と業務改善が大きく進みました。
NICSS-EX8と大型サブディスプレイの導入により、同姓同名の患者さんが赤文字と下線で強調表示され、一目で確認できるようになりました。これにより、朝の申し送り時間が大幅に短縮され、申し送り時の集中度も向上しました。
また、ナースコールの呼出種別ごとの音の鳴り分け機能が、看護師と看護補助者間のタスクシフトに非常に役立っています。例えば、センサー呼出に特定の音を設定し、看護補助者に「この音が鳴ったらすぐ患者さんのもとへ行く」と伝えることで、看護補助者が積極的に行動するようになり、スムーズなタスクシフトが実現しました。これによりナースコールの呼出回数自体も減ったように感じられ、病棟全体が穏やかになったと実感しています。
感染病棟に導入したIPカメラは、新型コロナウイルス感染症患者、特に認知症高齢者の安全管理に大きな効果を発揮しています。患者さんの状況を事前にカメラで確認できるため、防護具を着用した看護師の滞在時間を減らしつつ、転倒・転落などの危険から患者さんの安全を守る有効な手段となっています。
さらに、個別情報廊下灯の導入により、廊下に患者さんの名前を表示せず、お花や動物の写真を通常時に表示することで、患者さんのプライバシー保護を強化できました。医師の回診時には、一時的に患者さんの名前を表示する「回診表示」機能を活用することで、医師にもスムーズに情報を提供できています。
■お客様の声
新病院への移転に向けてシステムを一新するにあたり、特に大型サブディスプレイは『絶対に導入したい!』と思いました。朝の申し送りでは、同姓同名や転倒・転落リスクの高い患者さんの名前を一人ひとり読み上げて共有しており、これが長時間化の原因になっていたんです。このナースコールシステムなら、同姓同名の患者さんが赤文字と下線で表示され、大型サブディスプレイで一目で確認できるので、注目すべき対象が明確になり、申し送り時の集中度も上がると感じました。病棟学習会でも活用できますし、大きな画面でさまざまな情報を確認できる点がとにかく魅力的でした。
ナースコールの呼出種別の音の鳴り分け機能は、看護師と看護補助者のタスクシフトに非常に役立っています。特に優先して対応したいセンサーによる呼出のはじめの対応を、看護補助者にタスクシフトしたかったんです。以前は口頭で伝えてもなかなか行動が変わらなかったのですが、『子犬のワルツ』が鳴ったら患者さんのもとへ行くように伝えたところ、看護補助者の方々が積極的に動いてくれるようになりました。行動における明確な判断基準ができたことで、非常に自然な形でタスクシフトができたと実感しています。旧病棟では常に電子音が鳴り響き、病棟全体がピリピリしていましたが、新しいナースコールシステムのおかげで、呼出回数も減り、病棟全体が穏やかになったように思います。
大型サブディスプレイはスタッフステーションの中央に設置し、病室の配置が確認しやすいレイアウト表示にしています。師長たちも当直のラウンド時にまず大型サブディスプレイを確認するようになったと聞いており、病棟の空き状況や患者さんの情報がひと目でわかるのがとても助かっているようです。
個別情報廊下灯は、患者さんのプライバシー保護の点で非常に好印象でした。これまでは、廊下に名前を出すことをためらう患者さんの場合は、主治医の名前を貼って対応していましたが、個別情報廊下灯なら通常時は名前ではなくお花や動物の写真が表示されるので、患者さんのプライバシーがしっかり守られます。導入当初は医師から戸惑いの声もありましたが、回診時に一時的に患者さんの名前を表示する『回診表示』を活用することで、納得してもらえました。
IPカメラは、感染病棟で使用しています。新型コロナウイルス感染症の患者さん、特に認知症の高齢者の安全を確保しながら看護することに課題を感じていました。転倒・転落リスクが高く、自己抜去などを防ぐために迅速な対応が求められるにもかかわらず、感染対策の防護具着用が看護師の体力消耗やストレス増加につながっていました。IPカメラを導入してからは、患者さんの行動や状況を事前に確認できるため、転倒・転落などの危険から患者さんの安全を守る有効な手段になっていると感じています。